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Journey of Nobel Prize for Medicine

ノーベル生理医学賞のすべてを少しずつ追う旅

主要死因の変遷 _ 2000年以後 (神経疾患)

おまけ2 主要死因の変遷
[project A では、疾患についての説明を軸として展開します。生命科学の知識を応用して記述できるようになることを目的に、その概要を記します。そのため、臨床的な医学アドバイスを行うものではありません。 notion: The resources on this site should not be used as a substitute for professional medical care or advice.] 2000年以後の主要な変化は、超高齢社会になるということである。国民の平気寿命が上昇し、国民全体における高齢者の占める割合が上昇する。結果として高齢者に特異的に罹る疾患の占める割合が上昇するであろうし、その疾患に対する対策が急務なのである。その主要なものはアルツハイマー病 Alzheimer's Disease :AD である。 ADの有病率は、若年齢の人口においては希少であり0.25%を下回る。ところが、高齢者の定義である65歳を超えると加速度的に上昇をはじめ、75歳以上では5%を超え、85歳以上では20%を上回る(1)。75歳を後期高齢者と呼んでいるため、特に後期高齢者において罹患確率が高いといえる。 (1)(1) 加齢に随伴する疾患で恐ろしいものは、アルツハイマー病 Alzheimer's dieease である。もしくは、認知症 dementiaであったり、特に老年における精神疾患であるかもしれない。つまり脳の機能異常や不全に関連する有病率の増加である。脳血管性認知症 vascular dementia :VD も高齢者の方が罹患確率が高いが、より高いのはADもしくはDementiaである。(1) (1) 日本国内における統計の結果でも、アルツハイマー病および認知症罹患率は上昇傾向にある(2)。1970年から2005年にかけて報告された罹患率のデータから推測すると、確実に罹患率は上昇しているのである。 どちらの疾患も直接主要死因に登場してくるものではない。事故死を誘発する疾患であるには違いないが、それよりも社会損失をもたらすものである。実際にJournal of Alzheimer's Diseaseによると、2007年における認知症のコストは1650億ポンドであった。その70%はインフォーマルケアによる機会損失であり大きな社会損失となっている(3)。 うつ病の罹患者数が上昇して社会問題になり、その一方ではアルツハイマー病と認知症の罹患者数が上昇して問題となるだろう。これは、2000年以降により超高齢化が進むという状況に即して進むものと考えられる。 (2) Ref. 1, 新潟大学脳研究所の説明に拠る。以下の二資料より作成しているとのこと。詳細はhttp://www.bri.niigata-u.ac.jp/~idenshi/research/ad_1.htmlを参照。
  • 宮永和夫, 米村公江, 一ノ渡尚道, 大塚俊男, 笠原洋勇, 熊本俊秀, 郡暢茂, 千葉潜, 長瀬輝誼, 永井正規, 西島英利, 山崎学. 日本における若年期および初老期の痴呆性疾患の実態について. 老年精神医学雑誌, 8(12):1317-1331. (1997)
  • 大塚俊男, 柄澤昭秀, 松下正明, 河口豊. わが国の痴呆性老人の出現率.老年精神医学雑誌, 3(4) : 435-439. (1992)
2, 新潟大学脳研究所の説明に拠る。以下の資料より作成しているとのこと。詳細はhttp://www.bri.niigata-u.ac.jp/~idenshi/research/ad_1.htmlを参照。
  • Nakamura S, Shigeta M, Iwamoto M, Tsuno N, Niina R, Homma A, Kawamuro Y. Prevalence and predominance of Alzheimer type dementia in rural Japan.Psychogeriatrics. 3:97-103. (2003)