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Journey of Nobel Prize for Medicine

ノーベル生理医学賞のすべてを少しずつ追う旅

主要死因の変遷 _ ~1950年

[project A では、疾患についての説明を軸として展開します。生命科学の知識を応用して記述できるようになることを目的に、その概要を記します。そのため、臨床的な医学アドバイスを行うものではありません。

notion: The resources on this site should not be used as a substitute for professional medical care or advice.]

主要死因の歴史的変遷は、医学および医療の進歩を物語っている。

もっとも明らかな事実として、免疫学の発展や医療設備の充実とともに感染症に起因する死亡率が激減したということである。

主要死因別死亡率の図からわかることは、肺炎球菌 S.pneumoniaeなどの感染に起因する肺炎、NorovirusやCampyrobacterなどに起因する胃腸炎、そして結核などの感染症は、20世紀初頭の主要死因であった(1)。肺炎の1919年付近における死亡率の突出は、1919年に世界流行したスペイン風邪によるものである。これらの感染症は、第二次世界大戦の終結後から急速に姿を潜めている。

歴史的な変遷はどのようになったのだろうか。

20世紀の死因一位で追うと、00年から22年までにおいては気管支炎とあわせて肺炎である。その後胃腸炎となる。30年代後半からは結核となり、50年代に収束する。

腸炎が多いのは、年間あたり300人程度死亡するような、食中毒発生の高い国であることも起因しているようだ(2)。

感染症が収束するためには、複数の要件が必要である。個人の免疫力を高めるために、栄養状態や衛生環境の向上という社会的要因が貢献しただろう。これは予防の観点において有効である。また、感染した患者の治療には、抗生物質やサルファ薬といった細菌の増殖を抑制する薬が貢献できる。さらにBCGといったワクチンによって、感染症の発症自体を予防できるようになった。

結果として、20世紀前半までで、感染症による死亡率を劇的に抑えることに成功したのである。

Ref.

1, http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2080.html

2, http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1964.html